14日目
朝、苫小牧のネットカフェを出発。日高地方へむけて車を走らせた。
日高本線バス代行区間

鵡川駅の近くに停車していた代行バス。日高本線鵡川〜様似間は事実上廃線状態であったが、このときはまだ一応鉄道路線があることになっていたため代行バスが走っていた。


錆びついたレールが残された日高門別駅。廃線が決定しているため、このレールを列車が走ることは二度とない。

日高地方は競走馬の産地として有名。この中にもサラブレッドの卵がいるのだろうか。

車を3時間ほど走らせ、日高本線の終点・様似駅に到着。列車は来ないが、窓口は営業している。

隣の西様似までの切符を購入。本州ではほとんど見ない「常備券」である。

レトロな上屋が残されたホームは、半ば雪に埋もれて寂しげだった。
襟裳岬
「えりもの春は〜 何もない〜 春です」と歌われた襟裳岬が、実際どれほど「何もない」のかを確かめるべく向かった。

えりもへの道は、断崖絶壁に沿うように作られていた。旧道が柵で塞がれているところがあった。

柵の地点から撮影した太平洋。冬らしく荒波が押し寄せていた。
えりも町の中心部に、「ラーメンの百番」があったので、そこで食べることにした。
つぶ貝の入った「つぶラーメン」を注文。長時間車を運転した後のラーメンはとても美味しかった。

ラーメン屋の裏手にあった広大な人工林。大学で習ったのだが、薪にする木材を切りすぎて一時期は「えりも砂漠」と呼ばれるような荒廃した状態であったらしい。そこに長年かけて植林し、現在はこのような林になっている。

再び襟裳岬に向けて車を走らせる。天気も良くなってきて、起伏に富んだ道路の美しい景色が見られた。

襟裳岬の手前の、海に面した集落。

雪が風で流され、砂漠の砂のような模様ができていた。

そして襟裳岬に到着。都会の人が見ると「何もない」のかもしれないが、様々な景色が見られる道のりであった。
十勝地方の広大な「謎地帯」
北海道・十勝地方は海に面しているのだが、帯広や池田など主要な町は内陸部にあり、海沿いのエリアはこれまで自分にとって「謎地帯」であった。

襟裳岬から引き続き車を走らせ、いよいよ「謎地帯」に突入した。

なんと、平地に林がある。この写真はシラカバだが、カラマツの人工林もあった。
謎地帯では、平地で林業をやっているのであった。本州では考えられないような贅沢な土地の使い方。でも、木を切り出して輸送するのも平地でやった方が効率が良いのは確かである。

タンチョウがいた。釧路湿原で見られなかったのに、まさかここで見られるとは。
ジュエリーアイス
十勝川河口で、川を覆っていた氷が海に流れ出したあと、海岸に打ち上げられ、太陽の光を受けて輝く「ジュエリーアイス」が見られるらしい。ということで、向かったのだが…

十勝川河口付近の砂浜。広大すぎて、自分は今ここにいるはずなのに、自分自身を見失ってしまいそうになるという、何を言っているのか分からないような体験をした。実際に行ってみれば意味がわかると思う。

何かの観測機器のようなものが置かれていた。

ジュエリーアイスらしきものが転がっていたが、雪や泥にまみれてあまり綺麗ではなかった。残念。

精一杯ジュエリーアイスっぽく撮ってみた。
(参考画像)ジュエリーアイス。

大津港の集落。人がほとんどいなくて不気味だった。
このあと、夜の道東道をひた走り、5時間程度かけて札幌へ向かった。路肩は完全に雪で埋まっており、狭い片側1車線の高速道路をひたすら運転してとても疲れた。大都会・札幌に着くと、さっきまで十勝の謎地帯や広大な海岸にいたことがすべて幻であったかのように思えた。
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