駅〜空港〜ホテル


朝7時(非公式のウイグル時間では5時)、夜行列車でカシュガル駅に到着。朝焼けの中ホームを歩いて改札口へ向かう。

ホームの壁に書かれた「不到喀什 就不算到新疆」(カシュガルに行ったことがないのなら、新疆に行ったことがないのと同じだ)の文字。ウイグルの中でも一番ウイグルらしい街にやってきたということだ。
改札口ではウイグル人の駅員があくびをしながらパスポートをチェック。北京政府に押し付けられた標準時とはあまりにも乖離していて、こんな朝早くから働かせやがってという無言のアピール?ではないと思うが。
危惧していた公安による長時間の尋問はなく、すぐに駅舎の外へ出られてよかった。

駅の前にあるタクシー乗り場からタクシーに乗車し、荷物を預けておくため空港に向かう。「エアポート」と言うとウイグル人の運転手は「アエロポルト?」と聞き返してきた。流石ロシアに近いのでロシア語が共通語なのかな?と思ったがFF氏によるとウイグル語でも「アエロポルト」と言うらしい。歴史的なものを感じる。

空港までの道のり。キルギスのマナス国際空港からビシュケクまでの道とそっくり。完全に中央アジアである。

空港の2階からは雪の積もった天山山脈が見えていた。この景色は古城景区の中からだと建物が邪魔して見られないので、要チェックである。
荷物預かり所がなく預けることはできなかったが、トイレの個室で身体を拭くことができた。2日連続夜行列車でシャワーを浴びられていなかったので非常に助かった。
バスが見当たらなかったので、再びタクシーで古城景区のホテル近くの門まで向かう。
午前中のカシュガル古城景区を散策

汗巴扎という門の前で下車。左側の入り口で形ばかりの荷物検査(係員はボーッとしていて画面を見ているのかわからない)を受けて古城内に入る。


中に入ると一気に異国情緒あふれるオアシス都市の街並みが!!来てよかったと感動する。
門からほど近いところにあるホテルに荷物を預け、街をブラブラする。



どこを撮っても絵になる街並みでひたすら感動。

街の中には随所に監視カメラがあり、ところどころに警察官が立っている。だが、外国人の私がうろちょろしていても声をかけられることは一度もなかった。
お腹が空いていたので食事を食べようと店を探した。だが、朝早いので開いている店がなかなか見つからない。結構探したところで雰囲気の良いこの店が開いていたので入った。



ポロ(炊き込みご飯)は朝早いので無いと言われた。いろいろ指差した末、羊肉のスープとサモサ(中に肉が入ったパイ)を注文。どちらも本格的に調理されているのを感じるとても美味しい味であった。
写真では少なそうに見えるが意外とお腹がいっぱいになった。

エイティガールモスクの方へ行ってみる。広場にラクダの隊商の像があった。翌日、本物のラクダを見ることになる。

エイティガールモスク。中国国旗が掲げられ、完全に観光地と化している。入場料30元を支払い中に入る。(現在は45元に値上がりしているようだ)

中はシラカバのような木が生い茂っていて美しい。



モスクの本殿?の様子。中央アジアの様式に少しだけ中華っぽい要素を混ぜたような感じ。礼拝が行われている様子はなく、宗教施設としての役割を現在は担っていないようだ。




再び街を散策。それぞれの場所で違った表情を見せてくれるので、どこまで歩いていっても飽きない。
チェックインし休憩後、古城の外へ
歩き回っているとチェックインの時間になったので、ホテルへ行きチェックインした。


せっかくなので少しだけ値段の高いオシャレな部屋を予約していたのだが、これが当たりだった。西域の王宮のような部屋で旅情を盛り上げてくれる。
室内で1時間ほどエアコンに当たりながらボーッとした後、昼食を食べにいく。

汗巴扎の門のすぐ近くにある店でラグメンを注文。麺は讃岐うどんのようにコシがあり、トマトのスープをかけて食べると大変美味しかった。キルギスでも似た料理のラグマンを食べたことがあるが、こちらはそれと比べて若干中華の雰囲気を感じた。


再び古城内を歩き…

古城の端に着くと、タワーが見えた。せっかくなので展望台から古城を見下ろしてみたい!ということで、タワーへ向かう。

狭い階段を下ると…

古城の全体像が見えてきた!こうして見ると中東っぽさも感じる。

古城の端は急斜面になっていて、階段で下まで降りられる。

タワーの下まで来たが…

なんと修理中で営業休止!!非常に残念だった。

展望台からはこのような景色が見られるようだ。見てみたかった(泣)。

バスに乗って、少し離れた場所にあるディープスポットへ向かう。バスに書かれている「深圳援疆」は深圳市の支援で購入したバスという意味で、深圳在住の方によると、給料から支援金を天引きされているようだ(笑)。お返しとして毎年ウイグル産のリンゴが送られてくるらしい。

やってきたのは「跳蚤市場」。ここはウイグル人が物を売買するマーケットである。


古城内とはうって変わって生活感に満ちている。市場内の食堂で何か食べていってもよかったが、ほぼウイグル人しかいない中で漢民族に似た顔をしている日本人の自分は目立っている気がして、一周見て回るだけにした。

外の街並みは、どこにでもある中国の地方都市である。あまり面白みはない。

公園の前にはありがちなスローガンが掲げられていた。
ライトアップと夜市に感動!
歩き回っているうちに夕方になってきた。バスに乗って引き返す。

汗巴扎に戻ると、美しくライトアップされているではないか!!テンションが爆上がりした。

木に吊るされている飾りも点灯し、道を彩っている。
一番手前にある屋台でザクロジュースを購入(写真なし)。この辺の名物である。ほどよい酸味と甘みで大変美味しかった。

羊肉のさまざまな部位を売っている屋台があった。羊肉は好きなので大興奮。いろいろ買って道の端に置いてあるイスに座り食べた。

この店は演出がうまい。店の前にさまざまな料理が置かれ、白い湯気が出ていて大変美味しそうだ。


さらに屋台を散策。羊肉の串焼きや、羊の乳を固めたものなどを買って食べた。
夜市では、食べ物だけではなく…



宝石やマトリョーシカ、民族衣装なども売っていた。



街並みもライトアップされ、昼間とはまったくちがう美しさを見せている!朝から晩までまったく飽きさせない街である。

興奮して街を歩き回っているうちにいろんな店が閉店してしまっていたが、汗巴扎の近くにある店は開いていた。ポロを注文するがやはり無いと言われる。どの店でもピーク時しか無いようだ。あると言われた大盤鶏を注文。昼食と似ているが、肉が鶏なのでまた違った美味しさを味わうことができた。
日付が変わったころ、ホテルに戻り就寝。
念願のポロとピデルマンタを食べられた2日目
2日目は、少し遅めに起床しまた街を散策。


昨日と違う場所に行くと、また違った雰囲気が見られて本当に飽きない街だ。

昨日売っていた宝石の原石と思われるものや…

香辛料が売られていた。このような商店も結構たくさんあり、売っている物を見て歩くのが面白い。
昨日の雰囲気の良い店に12時(ウイグル時間10時)ごろ行ってみると…

念願のポロ(炊き込みご飯)とピデルマンタ(小籠包のようなもの)を注文することができた。これらがウイグル・中央アジア料理の中で私は一番大好きである。

FF氏に教えてもらった鳩のスープも注文。鶏をより上品な味わいにした感じで普通に美味しかった。

広場に本物のラクダがいた。
15時ごろまで街を散策したり、広場でボーッとしたりしてから、名残惜しいが空港へ向かった。
今回はもともとカシュガルまで来る予定ではなかったが旅の途中に思い立って目的地を変更したので、1泊2日しかいられなかったのが残念だった。必ずまた来て次は長期滞在してみたい。
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