一夜明けた夜行列車の車内にて
朝、目が覚めると6時で、ちょうど夜が明け始めた頃だった。


早朝のチュムポーン駅。駅員は早朝でもちゃんと仕事をしているし、乗客の乗り降りもあった。
途中のチャイヤー駅周辺で洪水が起きていた。乾季なのに変だなあ、と思って見ていたが、この時点で情報収集を開始していればもっとスムーズにことが進んだかもしれない。

途中駅の周辺の、雑然とした街並み。

カオチュムトンの手前のトゥンソンの方が大きな街があること、この駅でも先へ行く普通列車への乗り換えが可能なことから、トゥンソン駅で下車。窓口へ次の切符を買いに行った。
まさかの全列車運休、そして縦断中止の決断
ところが、窓口へ行くと普通列車は運休で、さらに他の列車もすべて運休だと言われた。途方に暮れていると、駅員がバイクタクシーと交渉してくれ、20バーツ(約76円)でバスターミナルまで連れて行ってもらえることになった。でかいザックを背負ってバイクに乗るのは不安定でかなり怖かったが、他に前へ進む手段がなさそうなので我慢して乗った。
バスターミナルで聞き込みをすると、ハジャイ行きのバスはないと言われた。再び途方に暮れながらもgoogleマップを眺めていると、近隣の都市としてナコンシータマラートがあることに気づいた。若干北へ戻ることにはなるが、都市へ出れば先へ進むバスがあるかもしれない。聞いてみると、ナコンシータマラート行きのロットゥーならあるという。早速乗車することにした。
ロットゥーの車内でTwitterで調べてみると、ハジャイ周辺で大洪水が起き、国鉄の線路も流されてしまったらしい。
この大洪水の中へ突っ込んでいくのは自殺行為である。ここでマレー半島縦断を中止することを決断した。正直、かなり悔しかった。
ナコンシータマラートから、行きに乗ってきた寝台列車が15:20に引き返すことがわかり、それに乗ってバンコクへ撤退することにした。そして、バンコク〜シンガポールよりバンコク〜ホーチミンの飛行機の方が安いことがわかったので、乗り継ぎ地の予定だったホーチミンへ飛ぶことにした。

ナコンシータマラートの位置(青い地点)。マレー半島の中間地点まで来ていたのに…
寝台列車に乗って引き返す

ナコンシータマラートの街並み。華僑が多い街だからか、プラナカン建築と呼ばれる1階が店舗、2階以上が住居になっている建物がたくさんあった。

歩道橋も中華風になっている。

ナコンシータマラート駅。窓口で切符を買おうとするが、駅員も自分も英語が下手なため、意思疎通がうまくできない。どうやら、「列車の到着が翌日になるけど良いか」と言っているようなので、OKと言って切符を購入できた。

ナコンシータマラート発の切符。この駅は南本線から分岐した支線の終点であり、普通に列車に乗っていたら通らない場所である。日本人でこの切符を持っているのはかなり珍しいかもしれない。
列車は定刻通りに発車した。奇しくも、行きと同じ車両だった。

列車から見た夕日。これぞ東南アジア。

物売りのおばちゃんから買ったチャーハン。エビがごろごろ入っていてとても美味しかった。
ひとまず、翌日の飛行機も予約できたので、安心して寝た。
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