沿ドニのティラスポリから戻ってきた後、トロリーバスでバスターミナルからキシナウ駅に向かった。


クリスマスはとっくに終わっているのだが(1月5日)、駅構内にはツリーがあった。
(追記)正教会ではユリウス暦でクリスマスを祝うため、正教徒が大多数を占めるモルドバにおいてはクリスマスはまだ来ていないとフォロワーさんから教えていただきました。

ウクライナのヴィーンニツャまでのチケットは、ウクライナ鉄道のアプリで購入。SMS認証しなければならないが、日本の電話番号では不可のためモルドバの番号を入力して購入。沿ドニのベンデルでモルドバの電波が入る場所を見つけ、そこで認証と購入を行った。

ホームに入ると、すでにウクライナ鉄道の客車列車が停まっている!!大興奮の瞬間である。


車掌氏にチケットを見せて乗り込む際に、「Dipromat?」と聞かれた。バックパックを背負っていてどう見ても外交官には見えないと思うのだが、外国人全員に聞いているのだろう。

寝台のコンパートメントの様子。昨日乗ったモルドバ国鉄の旧ソ連車と構造は同じだが新しい車輌である。同室のウクライナ人と思われる女性はなかなか親切で上着をかける場所を教えてくれたりした。

列車の時刻表。
出発後、長引くであろう深夜の出入国審査に備えすぐに寝た。
バルチネツ駅でモルドバの出国審査。審査官は何も聞かずすぐにスタンプを押してくれた。


出発すると、川の向こう側にウクライナの明かりが見えている!モルドバ側は真っ暗でうっすらと見える街の雰囲気はどう見ても「発展途上国の田舎」。それに対して、川を渡ったあとのウクライナ側にはスーパーなども見え、そちら側の方が発展している様子が窺える。ちなみに、この川はドニエストル川の上流である。
川を渡り、薄暗いウクライナ側の駅に停車。軍人が乗り込んできて車内のチェックと荷物検査が済んだあと、いよいよウクライナの入国審査がはじまった。
審査官は似合わないセーターを着て格好だけは西欧ポリコレワールドを気取っていたが中身は旧ソ連の公務員そのもので、尋問のように長時間にわたりいろんな質問を根掘り葉掘り聞いてきた。
聞かれた内容は
- Business or Travel? →トラベル
- 行くのはキーウか?→(ヴィーンニツャで降りるなどというと話がややこしくなるので)キーウ
- キーウではどこに行くのか、何をするのか?→独立広場や大聖堂などを観光する
- なんの会社に勤めているのか→食品工場
- 具体的な仕事内容は?→(悩んで急かされたあげく)ラーメンを作っている→通じた
- 所持金はいくらか?→300ユーロ(約54000円)
などであった。

尋問の末何とか疑いは晴れたらしく、入国スタンプを押してもらうことができた。モルドバから鉄道で入国しないとこの国境はなかなか通らないと思われるので、貴重なスタンプである。
入国が済んだのは朝5時で、流石に眠いため発車後すぐに爆睡した。

目が覚めると、ウクライナの駅に停車中。スマホを操作しようとするが、楽天モバイルで現地の電波をローミングできているにも関わらずまったく通信ができない。外国のSIMに制限をかけているのだろうか?

レトロなВЛ80形機関車や…

ソ連時代のエレクトリーチカの車内を改装したと思われる車輌とすれ違い大興奮!同室の女性が怪しげな視線を向けてくるのも気にせず写真を撮りまくった。



最初が首都だとつまらないので地方都市のヴィーンニツャで下車。他にも降りている人はたくさんいた。駅のアナウンスで「スラーバウクライーニ」と言っていたのがとても印象的だった。
駅舎の二階のガスティニツァで泊まれるか聞いてみたが、休憩のみで宿泊はできないと言われる。そこでホテルを予約する必要が出てきたが、電波が通じないため、観光案内所でWi-fiに接続しホテルの予約とSIMを売っている店の場所を調べる。幸い駅前に「Київстар」のショップがあるようだ。

ホテルを予約しようとするとこのようなメッセージが来た。戦時中の国にいるんだということを改めて実感。

駅前を少し歩き…

「Київстар」はすぐに見つかった。外国人にSIMを売るのは珍しいらしく(戦時中で地方都市なのだから当たり前だ)、戸惑った様子だったが何とか手続きを済ませ売ってくれた。
なお、ウクライナフリヴニャはあらかじめキシナウの両替所で用意してある。ヴィーンニツャの駅前にも両替所がありここでも両替は可能。

フォロワーさんに教えてもらった「LOVE UA」という330フリヴニャ(約1214円)で50GBも使えるプラン。これで今後のウクライナ旅は安泰である。


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